寒ざらしと、変わりゆく文化の価値と、ちょこっとお知らせ📢
まずはちょこっとお知らせです📢
【山梨県民限定】半額でお泊り頂けます!!
山梨県民のみなさん
お得ですよー
これは泊まるっきゃない!!
ってか、誰か泊まってー😢
宿泊対象期間は、2/16(火)~3/15(月)です。
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さてさて、今日の本題でございます。
おとといのこと。
「寒ざらし」を取り込みました!
冬の寒さが厳しいという、この土地の特徴を活かして作る大根の乾物「寒ざらし」。
近隣地域でもあまり見かけない保存食で、奈良田と同じ冷涼気候の東北なんかでは作られているみたいです。
一般的に流通している大根の乾物、切り干し大根とは、見た目も作り方もちょっと違います。
作り方やポイントなんかを、ざっくりご紹介します~!
1.大根の皮をむき、輪切りにして茹でる。
▲厚さは1.5㎝くらい。今年は肉厚にしてみたくて、実験的に2㎝程の厚めにしてみた。
▲ガス代節約のためかまどで。力を入れず箸が通るくらいの柔らかさまで茹でます。
ちなみに、大根は11月に収穫したもの。(うちのは虫に食べられてしまったので、今年はいただきもの)寒さで凍らせたり、萎びさせたりしないよう畑に埋めて保管してありました。
2.一晩、流水に晒す。
アクを抜きます。大根独特の風味は抜けますが、煮物にした時に味が染み込みやすくなるんだそう。
▲奈良田ではどの家にもある「井戸」に投入。野菜や農具を洗うのにとっても便利です。(うちにはありません…😢)
3.翌日、大根を串に刺し、日当たりのいい場所に干す。
約1ヶ月間干します。昼の天日干しと夜の凍結とを繰り返しながら乾物になっていきます。
▲奈良田では、スズ竹という竹の棒を使います。
出来映えのカギは、やっぱり寒さ?!
重要なのは、一年でいっちばん寒い「寒中」(寒の入りから節分まで:1月5日~2月3日頃)に干すこと。
この「寒」の時季の冷た~い風や水にさらすので「寒ざらし」と呼ばれます。
特に、1年で最も寒いとされる「大寒」(1月20日前後)の風に当てます。
▲大寒の翌朝、カチカチに凍って輝く大根。
暖冬だった昨年の寒ざらしの出来映えはイマイチでした。干している間の気温が高いと、見た目が茶色っぽくなってしまうようです。


▲左・昨年のもの。右・今年のもの。光の当たり具合やカメラのモードの違いもあるかもしれないが、それを差し引いても明らかに色が違う。
大根を余すことなく活用!葉っぱの保存食「干し葉」も美味しい
冬の風物詩として目を引く寒ざらしよりも、実は人気があるのがこちらの「干し葉」。
手間がかかる寒ざらしは、現在奈良田で数軒しかつくらなくなりました。しかしながら、私調べでは「干し葉は好きだからつくっている」という家はチラホラ。
寒くて野菜を育てられない今の時期、味噌汁の具として重宝します。
大根の葉をそのまま干して、乾燥したら茹でて、細かく刻んで、ぎゅっと手で丸めて、冷凍。冷凍庫のない昔は、屋外の日陰に置いて、天然冷凍保存。春先まで食べられたそう。
寒ざらしの価値が私の中で爆上げな件について
冷蔵庫のない一昔前、貴重な食料としてつくられていた寒ざらし。1週間くらい山小屋に寝泊まりして焼畑農業をするときなどにも携行できる優れものでした。
しかし生活様式が変わり、簡単に食材が買える今の時代に、わざわざ寒ざらしをつくる人は減りました。一人暮らしのお年寄り世帯も増え、一人で続けるというのもなかなか大変なのかなと想像できます。
そもそも、よほど「美味しくて好きだから」っていう場合か、「親戚に配りたいから」「売りたいから」っていう必要な人や、これは少数派でしょうが「文化を守りたいから」とか、なにかしら理由がないと、いくら同じことを続けるとはいえ難しいと思います。
私も、以前は「奈良田の文化だから(文化であることをするのが楽しいから)」というのが一番の理由でつくってたと思います。忙しくて余裕がない年には、つくらないこともありました。どうしても優先順位が下がってしまっていたんだと思います。
それが今は「なるべく自給自足したい!」という理想を掲げる私たちにとって、おいしくて、食糧確保に向く寒ざらしをつくらない理由が逆に見つかりません。(もちろん、お客さんにも出したいですし)
これまでに比べて、寒ざらしが、ぐんと価値あるものになった気がします。
▲こんなふうに保存食を並べコレクションすることが、今の私の安らぎです😊