秘境ワクワクlab. | 自給自足×秘境の文化で「ワクワク」をデザインする

日々の田舎暮らし、山人文化修行、起業までの様子をブログで実況中継!lab.に参加して民宿づくりにも関われます!

ブログタイトル

”自給自足はワクワクが詰まった遊び”

秘境の文化を手掛かりに

ワクワクできる場をつくりたい。

もっとワクワクする人生に切り替えよう。

そもそも山人って?? 古くて新しい、自給自足のスペシャリスト

ブログにお引越しして、早半月になりますが、肝心の「山人」について紹介していなかったことに気づきました💦ブログの副題にもある「秘境の文化」はこの「山人文化」を指していて、私達にとって重要な経営資源です(だったら忘れるなw)。
 
「山人」は「やまんど」「さんじん」「やもーど」なんて呼びます。(語呂が良いので、私たちは「やもーど」と呼んでいます😁)

西山地区(奈良田集落を含む4集落)で使われて来た言葉みたいで「山で仕事をする人」が語源。私たちは「山の恵みを活用する知恵と技術と精神の持ち主」みたいな感じで使っています。
近くてもうちょいメジャーな言葉に「マタギ」があると思うのですが、昨年秋田で開かれたマタギに関する講座の中で「○○の地域ではマタギと言わず山人あるいは猟師という」という記録もあるので、「奈良田のマタギ、山人」というのも間違いではなさそうです。
 
ただ、いわゆる「マタギ」が熊猟を主としたハンターの集団だったのと違って、奈良田の「山人」は焼畑を生業の中心としていました。
この「中心」というのがミソで、奈良田では色々なものが自給自足されていました。順番にご紹介していきます!

 

食べ物の自給

焼畑が生活の中心ではありましたがそれ以外にも、狩猟に漁に、普通の畑もやっていました
記録としては残っていませんが、きのこや山菜にも奈良田弁(奈良田だけで使わてきた方言があります。)独自の呼び名がついている事から、日ごろから食べられていたののでしょう。他にもヘビやカエル、虫なども「昔はよく食べた」と師匠達が教えてくれます。
 
周囲で得られるもので、食べられる物は何でも食べる!最早、サバイバルですね。
ちょっと前からニッチな分野ではありますが、サバイバルキャンプと言うものが流行ってきています。それこそ、上記のようなものを現地調達しながらキャンプを楽しむ。奈良田って意外と時代の最前線!?

Fielder vol.42 [雑誌]

▲マイナーかと思いきや、毎月15万部発行されている売れっ子雑誌。
 

住居の自給

奈良田だけでは賄えないものもある(お米など)ので、山を歩いて越える物流網も整備されていました。奈良田からの輸出品は木工製品、木炭など。
これらは、忙しい焼畑の合間を縫って、山に数日こもって作ります。焼畑の時もそうですが、昔の奈良田の人は結構な日数を山中で過ごしました。色々な文献を見るに、一年の1/3はキャンプ生活だったと思います⛺。
 
今みたいにテントなんか無いので、丸太や木の皮を組み合わせて即席の小屋をつくります。今、流行の?ブッシュクラフトです!しかもレベル高い✨

pin.it

衣類の自給

衣類も自分達で手づくり。藤やコウゾの繊維をほぐした糸を使って織物にします。これも「古代布」と言って、復活・体験ができる所が国内にもいくつかあります(いつかは習いたい!)。
それを、染物池で染め上げて使っていました👔。いわゆる泥染めで、前の職場では昔「泥染め体験」なんていうイベントも実施していました。

blog.joryuken.net

 
衣・食・住出そろいました🎵まだまだ行きます💨
 
 

遊びの自給

そんな訳で、長い山中のキャンプ生活を送っていた奈良田の人たち。忙しいとは言え、流石に娯楽も必要です。そこで発達したのが、民話だったり民謡だったり
民話は結構怖い系が多いので、修学旅行なんかで定番の怪談話大会みたいなノリでしょうか。あの「もののけ姫」で有名になったダイダラボッチも登場します!
「あの森に入るとダイダラボッチにさらわれる」と聞いた子達はそれはそれは夜も寝付けなかったでしょうw
民謡なんかは今でもやられていて、今年も8月11日に盆踊り大会が実施されます!ぜひ来てね♪

信仰の自給

「八百万(やおよろず)の神」って聞いたことありますか?あらゆる所に神様が宿っていて、それぞれの土地で、言わばカスタマイズしてお祈りする神様を決める、日本古来からの風習です。
奈良田は主に3つ。畑神様、山の神様、奈良王様。
 
畑神様はその名の通り豊作祈願です。それと関連して、占い、雨ごい、虫退治と色々な事をお願いしました。科学技術なんて「か」の字も無い時代、自分達の力でできる事って「お祈り」だったんだと思います。
 
山の神様は、山での安全祈願と、山仕事全般の成功を祈る神様(焼畑やる山は畑神様の守備範囲)。この辺は、現在でも「運」の要素が介在してくるものなので、うちの民宿でもお客さんと一緒に思いっきり祈っていきたいと思います。
 
奈良王様は、奈良田に伝わる伝説で、奈良時代にやって来たという天皇を祀っています。「ここも奈良だ!」と天皇が言ったから奈良田。。。ダジャレかw
ただ、伝説の中で天皇が「えいっ」って言って湧き出た温泉が、洗濯に使われていたり(冬でもあったかい)、製塩に使われていたり。枯れない水も「えいっ」って湧き出させたり。生活に不可欠な要素満載なのです。衣類の所で紹介した「染物池」もこの仲間です。
ロマンもへったくれも無い話をすると、これらが湧き出ている事に対する感謝と「枯れないで」のお願いは誰にしたら良いの?。。。偉い人がしてくれた事にして、その偉い人をお祭りすれば良いんじゃない?みたいな発想なんじゃないかなと思います(最近の研究で、この天皇が「奈良田に来た」って言う時期に、本当にいた場所特定されちゃったみたい)。
 
という訳で、信仰も今で言うところの「技術」に近い感覚で、自分達が安全に、作物なんかに恵まれて、さらに恵まれ続けるようにするための手段だったんじゃないかと思います。
 

労力の自給

▲他の集落ですが、稲刈りをお手伝いし合っています。

 

これは、集落の相互扶助なんて言われているものです。これまで見て来たように、自給自足では結構マンパワーが必要な場面が出てきます。
陸の孤島」奈良田では、他集落にお願いもできず、ましてや専門業者なんかいない時代。集落内で助け合いながらマンパワーを確保してきました。他の人を手伝えば、自分も手伝ってもらえる。そうやって、ちょっとした暗黙の了解もはらみながら、現在でも相互扶助は集落に息づいています。
 
 
 
さてさて長くなってしまいましたが、今回は山人の自給自足っぷりをちょっと過去にさかのぼってお伝えしました。
今把握しているものだけでも、100以上の素材が奈良田にあります。
さてさて、どう料理しましょうかね~
 
ある方(誰だったかド忘れw)が「田舎での自給自足って、一からやると大変だけど、先人たちが培ってきた知恵があるから、私達はイージーモードで実践できる」と言われていました。
 
先人の知恵から学んで、それをさらにアップデートしていって、山人がみんなのワクワクの象徴だったり、自己実現の手段にしていけたら良いなーと思います。
いつの日にか、「山人?かっけー✨」みたいに思ってくれる人が増えるように、頑張っていきたいと思います💪